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新設された業務改善助成金(最低賃金引上げの助成金)の特例コース

厚生労働省では、中小企業の生産性向上を支援し、賃金の引上げを図るため、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引上げた際に支給される業務改善助成金を設けています。今回、新型コロナウイルス感染症の影響により、特に業況が厳しい中小企業を対象として、「業務改善助成金特例コース」を新たに設けました。

[1]業務改善助成金特例コースの概要

業務改善助成金特例コースは、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高等が30%以上減少している中小企業が、2021年7月16日から2021年12月31日までの間に事業場内最低賃金を30円以上引上げ、生産性を向上するための設備投資などを行った場合に、その設備投資などや関連する経費に要した費用の一部を助成するものです。
対象企業は、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響により、「売上高または生産量等を示す指標の2021年4月から2021年12月までの間の連続した任意の3か月間の平均値」が、前年または前々年同期に比べ、30%以上減少していること
  2. 2021年7月16日から2021年12月末までの間に事業場内最低賃金を30円以上引上げていること(引上げ前の事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業場に限る。)
    ※賃金引上げ額が30円に満たない場合でも、申請時までに遡って追加の引上げを行い、その差額が支払われた場合は、要件に該当するものと取り扱われます。

また、支給要件として以下の要件をいずれも満たす必要があります。

  1. 就業規則等で引上げ後の賃金額を事業場の労働者の下限の賃金額とすることを定めていること
  2. 生産性向上に資する機器・設備投資を行ったり、コンサルティングの導入、人材育成・教育訓練を実施したりすることにより業務改善を行い、その費用を支払うこと

[2]助成額

生産性向上のための設備投資等にかかった費用に、助成率3/4を乗じて算出した額が助成されます。なお、引上げる労働者数に応じて助成の上限額が定められています。
この生産性向上のための設備投資等にかかった費用は、生産性向上等に資する設備投資等のほか、業務改善計画に計上された関連する経費として、広告宣伝費、汎用事務機器、事務室の拡大、机・椅子の増設なども対象となります。ただし、生産性向上に資する設備投資等を行う取組に関連する費用について、業務改善計画に計上されたものに限られます。
飲食店の活用例として、飲食店でこれまでの店舗内飲食だけでなくデリバリー・サービスを拡大するため、デリバリー用3輪バイクを導入し、そのサービス開始を幅広く周知するために広告宣伝を行った結果、多くの顧客を獲得し、生産性が向上したことから、助成対象となった例があります。

2022年1月13日より業務改善助成金特例コースの受付が始まりました。締切は2022年3月31日までです。事前に「交付申請書・事業実施計画など」を労働局雇用環境・均等部(室)に提出し、交付決定後に、提出した計画に沿った取組みの実施が必要になることから、活用にあたっては事前に情報を確認しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「業務改善助成金(特例コース)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00026.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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